2026年冬、ベトナム航空券はいつ買うか。関西発ハノイの増便とダナン直行便を数字で読む
August 24, 2026 · 1 min read
ベトナム航空が関西/大阪とハノイを結ぶ便を、2026年10月26日に週7往復から週11往復へ、12月1日には週14往復へ増やします。この件を扱った記事はどれも「増便」「需要好調」で終わっていますが、関西空港を使う側にとって効いてくるのは便数そのものではありません。増えるのが午後の便だ、という点です。
そして冬の逃げ場としてベトナムを考えるなら、話の中心はハノイではなくダナンのほうです。ただしダナンの2路線には、日本語の記事でほぼ必ず取り違えられている点が一つあります。
以下では、増える座席を週あたりの数字に直し、成田と関西を出る側の買い時を実際の日付に置き換えて、どれを買う価値があるかまで書きます。
何が決まって、いつから飛ぶのか
数字はすべて2026年8月24日時点で確認したものです。
関西/大阪とハノイは、10月26日に週7往復から週11往復、12月1日に週14往復。AeroRoutesのスケジュール分析とTRAICYの報道が一致しています。
便数より中身のほうが重要です。既存の毎日1往復はVN334とVN335で、機材はエアバスA350-900のまま変わりません。増える分はすべて午後のVN338とVN339で、こちらはA321です。関西を出る側の時刻はこうなります。
- VN335 関西 10:00 発、ハノイ 13:35 着(毎日、A350-900)
- VN339 関西 15:40 発、ハノイ 19:15 着(A321)
VN339は10月26日に月・火・木・土の週4便で始まり、12月1日から毎日になります。朝10時の一本しかなかった関西発に、午後発がもう一本つく。半日休みを取れば当日出発が成立する、という変化です。
ダナンの2路線は扱いを間違えられています。成田とダナンが週11往復、関西とダナンが週5往復。どちらも実在しますが、冬ダイヤの新設ではありません。Nhan Danが7月9日にハノイ線と同じリリースとして報じたとおり、2026年7月1日からすでに飛んでいます。同じ発表に混ざっていたことが、冬の増便として一緒に流れた原因です。この冬に成田発ダナンの新設便を探しているなら、ありません。夏から週11往復で飛んでいます。
週あたりの座席数で見る
便数は見出しになりますが、運賃を動かすのは座席数です。ベトナム航空はA350-900を305席、A321の国際線仕様を178席・184席・203席と公表しています。以下はA350-900を305席、A321を国際線仕様の中間である184席として置いた片道・週あたりの推定値です。ロードシートではなく、この前提を置いた概算だと思ってください。
| 路線 | 変更前 | 変更後 | 適用開始 | 機材 | 週あたり座席数・片道(推定) | 増減 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 関西 ⇄ ハノイ | 週7 | 週11 | 2026年10月26日 | A350-900 毎日 + A321 週4 | 2,871 | +736 |
| 関西 ⇄ ハノイ | 週7 | 週14 | 2026年12月1日 | A350-900 毎日 + A321 毎日 | 3,423 | +1,288(+60%) |
| 成田 ⇄ ダナン | 公表なし | 週11 | 2026年7月1日 | A321 | 2,024 | 基準値の公表なし |
| 関西 ⇄ ダナン | 公表なし | 週5 | 2026年7月1日 | A321 | 920 | 基準値の公表なし |
ダナンの2路線については、ベトナム航空が変更前の便数を出していません。だから正直な増減率は書けません。この空欄こそ、3か月前の数字が誰にも気づかれないまま6週間ニュースとして流れ続けた理由です。
同じ発表では、ハノイと台北桃園が10月25日に週7往復から週11往復へ、ダナンとソウル仁川が7月1日に週14往復へ増えています。いずれもA321です。増える分はすべて同じ小型機で、それを北東アジア全体に配っている。関西発の午後便が座席数の少ないA321なのは、そういう事情です。
二社が三週間のうちに動く
ベトナム航空だけが動いているわけではありません。ベトジェットエアもAeroRoutesによれば、ハノイと関西を12月18日に週11往復から週14往復へ、ハノイと成田を12月17日に同じく週11往復から週14往復へ、ハノイと台北を12月12日に1日1便から2便へ増やします。機材はすべてA321です。
さらに12月20日にダナンと関西を開設し、A321で週4往復を飛ばします。関西発はVJ923で、10:10発のダナン13:45着です。
足すとこうなります。12月後半のハノイと関西は、ベトナムの2社だけで週28往復。8月の週7往復に対してです。ダナンと関西は1社の週5往復から2社の週9往復へ。そしてこの座席が全部、運賃のいちばん安い時期を過ぎてから出てきます。
年末年始と成人の日、日本側のカレンダー
日本から出る側のカレンダーは、ベトナム側の山とはまったく別の形をしています。
2027年の国民の祝日は、元日が1月1日の金曜、成人の日が1月11日の月曜です。つまり1月9日の土曜から11日の月曜までが三連休になります。年末年始の出発は12月26日の土曜あたりから動き始め、学校の冬休みは自治体や学校ごとに違うので、家族連れの出発日は結局この年末年始の前後に集まります。日本側の冬の需要はこの2つの山だけで、12月前半には山がありません。
ベトナム側のテトは2027年2月6日の土曜です。日本から見ると、これは避ける日というより気をつける日です。この時期の関西発ハノイ便は日本に住むベトナムの人たちの帰省で埋まり、運賃は反対側の需要で上がります。現地でも店や工場が長めに閉まります。2月上旬にダナンやホイアンを考えているなら、テトの前後を外すか、閉まっているものがあると承知のうえで行くかのどちらかです。
安い時期を実際の日付に直す
Google自身の価格分析(2025年9月9日公開)では、クリスマス時期の航空券がいちばん安いのは出発の32日前から73日前で、最安の目安は51日前。国際線全般では49日以上前が安いとしています。過去シーズンの傾向であって予測ではありませんし、32日から73日という幅はクリスマス便に限った数字です。それを日本側の出発日に当てはめると、こうなります。
| 出発日 | 安くなり始める(73日前) | 最安の目安(51日前) | 買い時が終わる(32日前) |
|---|---|---|---|
| 2026年12月26日(土) | 2026年10月14日 | 2026年11月5日 | 2026年11月24日 |
| 2026年12月29日(火) | 2026年10月17日 | 2026年11月8日 | 2026年11月27日 |
| 2027年1月2日(土) | 2026年10月21日 | 2026年11月12日 | 2026年12月1日 |
| 2027年1月9日(土、成人の日の三連休) | 2026年10月28日 | 2026年11月19日 | 2026年12月8日 |
| 2027年2月4日(木、テト直前) | 2026年11月23日 | 2026年12月15日 | 2027年1月3日 |
この表を増便の日付と並べると、話が逆さまになります。12月26日に出るなら、買い時は11月24日に終わります。ベトナム航空の週14往復は12月1日から、ベトジェットの増便は12月17日と18日から、ダナンと関西の新路線は12月20日から。全部、あなたの買い時が閉じたあとです。年末年始に増える座席は、早く買う人の運賃を下げません。効くのは満席に駆け込む人に対してで、それは値引きではなく在庫です。
例外が一つだけあります。成人の日の三連休です。1月9日出発の買い時は12月8日まで開いていて、週14往復は12月1日に始まります。12月1日から8日までの一週間、増えた座席を安い時期の内側で買えます。日本側のカレンダーで今回の増便が素直に効く出発日は、ここしかありません。
円安のなかでベトナムの物価はどう効くか
円は2026年8月24日時点で1ドル159.19円、12か月で7.69%下がっています(Trading Economics)。ここは正直に書いておきます。円安はベトナムドンに対しても進んでいます。8月21日時点で1円が164.84ドン、こちらも12か月で7.46%の下落です(同じ出典)。去年より得になった行き先ではありません。
効いているのは変化率ではなく水準のほうです。1万円が約164万8,000ドン、10万ドンが約607円(いずれも2026年8月21日のレート)。円が1割近く下がってなお、一日の食事と移動が数千円に収まる行き先は、直行便6時間圏内にそれほど残っていません。ヨーロッパやアメリカなら同じ7.69%がそのまま旅費に乗ります。ベトナムでは乗る先の金額が小さい。安くなった行き先ではなく、円安に耐える行き先、という言い方がいちばん実態に近いはずです。
同じ円安を訪日側から計算した数字は2026年の日本の旅行費用をまとめた記事にあります。宿泊費がどう動いたかは、方向が逆でも読み方は同じです。
どれを買う価値があるか
三つ挙げます。どれも反対意見はありうると思います。
関西発ハノイなら、12月ではなく11月に飛んでください。10月26日に増える午後のA321 4便は、日本にもベトナムにも大きな休みがない5週間に入ります。埋めなければいけない席が先にあって、需要はあとから来る。この順番のときにしか運賃は落ちません。
12月1日の週14往復は、値段を下げる増便ではありません。二社が三週間のうちに同じ都市ペアへ座席を足し、しかも動かせない休みに向かって足しています。これで安くなることはなく、天井の値段で在庫が手に入るだけです。日程が動かせないなら買うべきですが、11月24日までに決めて、航空券より宿のほうが痛いと覚悟しておいてください。
冬の日差しが目的なら、答えはダナンです。成田発は7月から週11往復で飛んでいて、冬のプレミアムが一切乗っていません。関西発は12月20日にベトジェットが入り、週5往復が週9往復になります。既存社の増便ではなく新規参入なので、価格の付け方は普通もっと荒くなります。中部のダナンとホイアンは冬でも上着一枚で歩ける一方、同じ国でもハノイの冬は冷えて曇りが続きます。北と南で気候が別物なので、冬に行き先をハノイにする理由はあまりありません。
Travolpに日付と空港を伝えれば、実在の場所から日程を組み立てて、ホイアンの路地で電波がなくても開けるように端末に落としておきます。現地のデータ回線をどうするかはローミングとeSIMの記事にまとめました。カレンダーに入れる日付は二つです。年末年始に出るなら11月5日、成人の日の三連休なら12月1日から8日まで。